2021.12.25 / Interview KIH

明治大学の先輩に聞く|いまの学生寮ってどんな感じ?

学生寮と聞くと、先輩との上下関係、窮屈な寮則、厳しい門限など、とにかく自由のない生活。 どうしても「昭和の学生寮」のイメージがつきまとう。 しかし、どうやら現代の学生寮はもっと自由に暮らせるらしい。 その実態を探るべく、明治大学国際交流寮「狛江インターナショナルハウス」に住んでいる明大生に現代の寮生活について聞いてみた。

あるのは当たり前の一般的なルール

寮生活の規則やルールが厳しいと思ったことは一度もないですね」。そう話すのは法学部3年のGさん。他の3名もほとんど同じ意見。

理工学部4年のTさんは「寮に入る前は、なんだかんだ多少は厳しいところもあるのだろうと思っていましたが、平穏に暮らしていれば、不自由は感じないですね」とのこと。

この中で一番新しい入寮者のMさん(理工学部2年)は「寮に入る前は、規律が厳格、行動が制限されていて、一人での行動にも制限がかかるイメージ。先輩に言われたことには後輩が絶対に従うみたいな。だから覚悟を決めて寮に入ったのですが、実態はイメージと180度違いましたね。しばられていると感じることは全然ありません。ただ、大学の友人たちからは、ボクが厳しい寮生活を送っていると勘違いされています(笑)」。

みんなの話をまとめると、寮の規則といっても、例えば「深夜に大きな音を出さない」「ゴミは決められた場所に捨てる」など、ごくごく当たり前の一般社会のルールと変わらない。アパート暮らしでもこれらのルールを守るのは当たり前のこと。

農学部3年生のKさんは「1年生の時は友人の家に泊まりに行くのに外泊届を出すのが面倒だと感じていましたが、コロナ禍になって外出自体を控えるようになったので、もう面倒くささを感じることがない」と笑った。

コロナ禍における寮生活や大学生活

みんなはコロナ禍の生活をどう過ごしたのか。

「去年は部屋にこもってパソコンと向き合う日々でした」とGさん。「寮内に友だちがたくさんいるので、孤独を感じることはありませんでした。もしアパートの一人暮らしだったら、かなり辛かっただろうと思います」。

Kさんも「コロナで大学の友達と急に会えなくなりました。ただ寮内の友達と顔を合わせることができたので、寮に住んで良かったなと思いました」と語った。寮内でも感染対策として食堂で隣同士に座らない、対面にならないように席をずらして座るなどのルールはあったけど、それでも友達と顔を合わせることができるということは大きな支えになったそう。

入学・入寮してすぐのタイミングで1回目の緊急事態宣言が出たというMさんは「一人暮らしの友達と話すと、大学も休みで全然友達ができないと言っていました。ボクは寮内で友達がつくれたので、孤独感を経験せずに済みました」。確かに大学に入学してすぐに緊急事態宣言が出てしまったら、新しい友だちをつくるタイミングを逃してしまうだろう。

寮ではコロナ禍でそれまであった歓迎会のようなイベントはできなくなってしまったそうだが、オンライン歓迎会など、寮生同士が交流するきっかけとなる場も提供しているそう。

正直、寮に暮らして良かったこと

寮生活を選んだ理由を聞いてみると、ほとんどみんな「両親の薦め」がきっかけ。

「一人暮らしをはじめるにあたって、もちろん自分が快適に過ごせるのも大切ですが、両親が安心できることも必要なことだと思いました」と話すのはMさん。男の子の親は食事の心配、女の子の親はセキュリティ面での心配から、子どもに寮生活を薦めるというケースは多い。

親目線からすると食事とセキュリティの安心は非常に大切。では本人目線はどうなのか。「最初はマンションに住もうと思っていましたが、狛江インターナショナルハウスは施設が新しく、お風呂もトイレも個別、洗面台も独立していたので、ここに決めました」「完全個室タイプでプライベート空間が大きいのが決め手でした」。

実際に住む本人たちの目線からは、充実したプライベート空間があることが決め手になったという声が多かった。

他に寮の魅力を聞いてみると「ごはんがどれも美味しい」「寮生同士が仲がいい」「キャンパスを超えて友達ができる」というのはみんな一緒。Kさんは「寮は家でありながら、友達と交流できる場所。毎日が修学旅行みたいです」と、とても楽しそうな意見をくれた。

寮生活とは、大学というコミュニティに加えて、もうひとつの豊かなコミュニティを手に入れることのように感じる。社会に出る前の限られた期間に、学生寮というコミュニティを手に入れられることは、人生の財産になると言ってもいいのかもしれない。

※インタビュー記事の学部学年は2021年11月取材当時のものです

(文・田中文庫 写真・白浜哲)

学生たちの「頼れる大人」寮長・寮母に聞く

コロナ禍になってから、寮内では保健所の指導のもと、アルコール消毒をはじめ、密を避ける行動喚起など、感染対策を徹底しています。行動が制限される学生の皆さんには窮屈だとは思いますが、皆さんよく協力してくれていると感じています。狛江インターナショナルハウスにおいても、新型コロナウィルスの感染者が出ましたが、部屋が個室タイプという事も幸いして、感染が他に広がることはありませんでした。またRAさん(寮内の円滑な暮らしを支援する寮生)たちのおかげで、学生さんたちとはコロナ前と変わらないコミュニケーションが取れています。早くコロナが明けて、中止になっている寮の恒例行事ジンギスカンパーティをまたやれるようになってほしいですね。

取材したところ

明治大学国際交流寮 狛江インターナショナルハウス

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